♪ 電 子(気) 楽 器 ♬

 ここまで紹介してきた楽器と電子楽器の違いって何でしょうか?楽器本来の生音で演奏するのと電気を使っていろいろ変化させ音を出して演奏することの違いでしょうか?

 電子楽器とは電子回路により、音の3要素である音程・音量・音色を制御することができるのです。音色を得る方式としては周期パルス列をフィルタリングすることで音色を得る減算方式、オルガンのように正弦波により倍音を合成する加算方式、FM音源などに代表される変調方式、録音した波形などをメモリに蓄えておき音程ごと再生するPCM方式など幾つかの方式があるようです。PCM音源の登場で、ありとあらゆる音が楽器に出来るようになりました。PCM音源における電子的なメモリの増加は、飛躍的に音色の質を向上させ、多種多様な音色の作成を可能にしました。1990年代までは音源として専用のカスタムICを使用したハードウェア・シンセサイザーが主流だったのですが、2000年代に入ってからはパソコンの性能向上によりソフトウェア・シンセサイザーが主流になってきました。

  •  PCM音源(ピーシーエムおんげん)は、コンパクトディスクなどで扱われるパルス符号変調 (pulse code modulation、PCM) 技術を用いたデジタルシンセサイザーの音源方式のひとつ。

♪ テルミン 

 テルミン(Theremin)は1920年(1919年ともいわれる)にロシアの物理学者レフ・テルミン博士(Lev Termen; 1896-1993)によって発明された世界最古の電子楽器。楽器に直接触れずに演奏します。垂直、水平方向に伸びたアンテナの周囲には微弱な電磁場が形成されており、アンテナに手を近づけたり遠ざけたりすることで音の高さ、大きさをそれぞれ制御します。鍵盤や指板といった、音の高さを定める基準が楽器の側に存在しないため、求める音をとり、安定させるのは困難と認識されています。独自の演奏法が要求されること、米ソ冷静の影響などもあり、演奏家人口が少ないのが特徴と云われてきました。良質な楽器を安価に入手できるような背景もあって、20世紀の終わり頃から、テルミン再評価の機運が高まっています

♪ エレクトーン 

 エレクトーンは、ヤマハ株式会社が製造発売する電子オルガンの商品名です。

 黎明期の電子オルガンは、ハモンドオルガンが機械的にトーンを発生させていましたが、日本電気・日本放送協会(NHK放送技術研究所)との共同開発を経て、1958年に大型の試作機が完成。1959年に初代機種「D-1」が発売されました。ただし、当時の大卒初任給を大幅に上回る(当時の軽自家用車の価格に匹敵する程の)高価な製品でした。現在ではエレクトーンの機能を活かした作曲・アレンジや演奏テクニックを極めた「エレクトーン プレイヤー」と言われるプ ロミュージシャンも数多く登場しています。

 エレクトーンは上鍵盤、下鍵盤、ペダル鍵盤、エクスプレッションペダル、セカンドエクスプレッションペダルを備えています。

 技術の発展とともに音色、音の増減衰、鍵盤を押したままピッチに変化を付けるなど性能は進化してきています。

♪ ハモンドオルガン 

 私が高校生の時にテレビで初めて小曽根実の演奏をみて、「なんてカッコいいんだろう! 大人の音だ!」と感動したのを思い出します。

 ハモンドオルガン(Hammond Organ)は電子楽器ではなく電気楽器の一種だそうです。

 1934年にローレンス・ハモンドによって発明されました。パイプオルガンのパイプの代わりに、トーンホイール(歯車状の磁性金属製の円盤)を回転させて、近接して設置された電磁ピックアップにより磁界変化の波を音源として出力する。このように生成された正弦波を基音または倍音として、パイプオルガンと同様にミックスして音を作り出しています。

 機種や演奏環境によって若干の差異はあるようですが、空気感に富む明朗な音色が特徴です。複雑な発音方式から生じる深みのあるサウンドを利して、ジャズやロックなど比較的近代的な音楽に導入している例も少なからず見受けらます。

♪ シンセサイザー 

    私はシンセサイザーの演奏で冨田勲の「展覧会の絵」や{惑星」に衝撃を受けた覚えがあります。変幻自在に音を作り上げていくコンピューターのイメージが強いのですが、シンセサイザーの発明は、「ある時 誰かが 世界で初めて何かを発明し、その成果が後に世界中に広がった」という出来事ではないようです。100年以上にわたる電子楽器の歴史の中で、多くの人々が試行錯誤を繰り返し、時としてほぼ同じものがあちこちで再発明されながら、技術の蓄積と概念の洗練が進み、途中、戦争(シンセサイザーの研究が戦時中は軍事用に採用されていました。)による停滞や技術者の世代交代を挟んで、1960年代以降マイクロ・エレクトロニクスと共に急速な発展を遂げて、現在の形になっています。

 現在では鍵盤楽器以外にも「ギター・シンセ」、「エレクトロニック・ドラム」、「ウインド・シンセ」など多くの楽器が生まれています。


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